葬儀の基礎知識と準備

お通夜と葬式はどっちが先?お通夜と葬儀の違いを解説

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突然やってくる身近な人のご危篤やご逝去に対して、葬儀の流れを事前に理解しておくとことで万が一の事態に対応することができます。

この記事では、お通夜とお葬式はどっちを先に行うのか、お通夜と葬儀の違いについて解説します。故人を亡くされ不安な気持ちを抱えている方のお役になれば幸いです。

お通夜とお葬式ではどっちが先に執り行われるのか

宮坂
宮坂
一般的には、故人がお亡くなりになられた翌日に通夜を行い、翌々日に葬式が行われます。

しかし、これらの儀式がどちらが先に行われるべきかは、文化や宗教、個々の家族の習慣によって異なります。以下では、お通夜とお葬式の関係について探り、一般的な傾向や異なる実践に焦点を当ててみましょう。

1. 文化や宗教による異なる慣習

例えば、日本の仏教文化では、お通夜が先に行われ、その後にお葬式が続きます。お通夜では、故人との最後の別れや追悼が行われ、お葬式では遺体を埋葬する儀式が行われます。

一方で、キリスト教の文化ではお通夜とお葬式が一体となって行われることが一般的です。喪家や関係者が故人を偲び、信仰に基づいた儀式が行われます。このような異なる宗教的なアプローチが、儀式の進行順を左右する要因となります。

2. 家族や地域の習慣

お通夜とお葬式の順序は、家族や地域の習慣によっても左右されます。特定の家族が伝統的にお通夜から始め、それに続いてお葬式を行うこともあれば、逆の順序で行う場合もあります。東北地方や北海道(函館市や釧路市の一部)、九州地方などの一部地域では仮通夜後に火葬を行い、その後に通夜や葬儀・告別式を行うところもあります。

地域の習慣

一般的にはお通夜の後に、お葬式が執り行われますが、火葬後に通夜が葬儀が行うところがあることも理解しておきましょう。

お通夜・お葬式の日程の決め方

故人が亡くなった場合、お通夜やお葬式の日程を決めることは遺族や関係者にとって慎重かつ重要な課題です。日程の選定には様々な要因が影響し、故人の意向や家族の事情を尊重しながら進めることが求められます。以下は、お通夜とお葬式の日程を決める際の考慮すべきポイントです。

1. 故人の意向や遺言

遺言書

まず最初に検討すべきは、故人の生前の意向や遺言書があるかどうかです。故人が特定の日程や儀式の形式を望んでいた場合、それに従って日程を調整することが尊重の表れとなります。遺族や関係者は、できる限り故人の希望を実現するよう心掛けるべきです。

2. 宗教や信仰に基づく要素

お通夜やお葬式の日程は、宗教や信仰によって異なることがあります。仏教やキリスト教など、異なる宗教が広がっている中で、各宗派によって儀式の進行や期間が異なります。宗教の指針に則り、信仰を大切にするためにも、宗教的な儀式に参加するための日程調整が必要です。

3. 家族や関係者の都合

故人の死後、家族や関係者の都合も重要な要素です。仕事や学業、住んでいる場所によっては、参列が難しい日や時間帯があるかもしれません。これらの事情を考慮し、できるだけ多くの関係者が参加できるような日程を選定することが望ましいです。

4. 葬儀会社や寺院の予約状況

カレンダー

葬儀会社や寺院の予約状況も考慮すべきです。特に繁忙期や大型の葬儀が重なる場合は、希望する日程が取りづらいことがあります。早めに相談し、予約を確保することがスムーズな進行に繋がります。

お通夜やお葬式の日程を決める際は、様々な要因を考慮し、故人や関係者の意向を尊重することが肝要です。感情的な時期であるため、十分なコミュニケーションをとりながら、円滑な進行を心がけましょう。最終的な日程が確定したら、家族や関係者に十分な情報を提供し、儀式が故人と家族にとって意味のあるものになるように努めましょう。

お通夜はいつ行うのか

お通夜はいつ

お通夜には「この日取りで行うべき」という決まりがあるわけではありません。一般的には故人が亡くなった翌日の夜、または翌々日の夜に行います。

理由はご遺体の腐敗等が起きるまえに故人とのお別れを行った方が望ましいからです。ただし、お通夜や葬儀を急いで行いたいと望んでも、「墓地、埋葬等に関する法律」の関係上、故人が亡くなった当日中にお通夜や葬儀を行うことはできません。

「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行ってはならない」と定められているからです。

お通夜では何するのか

お通夜では、遺族や親族が集まり、故人と最後の夜を共に過ごします。仏式の場合は僧侶の入場、読経、焼香と続き、最後に喪主が挨拶をして閉式、その後に参加した弔問客への感謝を込めて設ける宴席、「通夜振る舞い」食事となります。

お通夜では何するのか

お通夜には「 仮通夜 」と「本通夜」、「半通夜(はんつや)」といった言葉があり、それぞれ意味が異なります。

仮通夜では故人が亡くなった当日の夜に、故人と親族だけで特別な儀式は行わず共に過ごすことが目的です。

一方、本通夜は、仮通夜の翌日の夜に行われ、弔問客を迎えます。特に都市部では、仕事帰りに立ち寄れるため、多くの参列者が訪れます。本通夜では、告別式並みの祭壇や飾りを用意することもあります。

半通夜とは、「一晩中行うのではなく、短時間で切り上げる通夜」のことをいいます。
お通夜は本来、葬儀の前夜から夜通し線香を絶やさないことが大切とされたため、一晩中行われるのが通例でしたが、現代では1〜3時間ほどで切り上げる通夜を「半通夜(はんつや)」と呼んでいます。

現代においては一晩中行う通夜はまれで、仮通夜であっても、本通夜であっても、半通夜のケースがほとんどです。

お通夜と葬儀の違い

通夜は故人との別れを惜しむ時間を過ごす場であり、葬儀や告別式の前に行われます。葬儀式は宗教的な儀式であり、家族や親族が参加し、故人の冥福を祈る場でもあります。その後に行われる告別式は一般参列者が参加し、故人へ最後の別れを告げる儀式であり、宗教的な要素はなく、現代では、葬儀式と告別式が一緒に行われることが一般的になっています。

お通夜における親族のふさわしい服装とは

お通夜における親族のふさわしい服装

お通夜における親族の適切な服装について、確かにさまざまな意見があります。一般的な常識としては、お葬式と同様にきちんとした喪服を着用することが期待されますが、実際には地域や文化によって異なることもあります。
とはいえ、お葬式・お通夜を問わず、親族であっても一般の参列者であっても準喪服を着れば問題ないでしょう。

仮通夜に参列する場合

仮通夜においては、通常、喪服ではなく地味な平服が適切とされています。人が亡くなるというのは突然のことであり、亡くなった当日に喪服を用意する余裕がないことが一般的です。また、仮通夜は通常、親族のみで行われるため、あまり格式を重視せず、地味な平服で参列することがふさわしいとされています。

喪服を着用することで、死を予測していたかのような印象を与えてしまう可能性もあります。そのため、仮通夜ではあまり派手な服装や喪服を避け、故人や遺族への敬意を示しつつも、地味な服装で参列することが適切とされています。

本通夜に参列する場合

近年ではお通夜で親族が着る服装は、略礼服ともいわれる準喪服が一般的です。
故人との血縁関係がそれほど近くなく、「平服で」とお通夜の案内をされた場合は、地味な色のスーツなどでも問題ありません。

男性の準喪服

男性の準喪服

洋装であれば、シングル、もしくはダブルのブラックスーツを着用することが望ましいとされています。また、ネクタイや靴下なども黒で統一し、ワイシャツはなるべく柄の入っていない白無地のタイプを選ぶようにしましょう。
和装でしたら、細い縞柄もしくは無地の着物に、黒羽二重の五つ紋がついたものを着用します。

女性の準喪服

女性の準喪服

洋装であれば光沢感のない黒無地のワンピースにボレロ、またはアンサンブル、スーツなどのブラックフォーマルを着用することが望ましいとされています。和装の場合は、色無地の一つ紋または三つ紋の着物で、帯は黒を使います。昔は黒の着物を着用する方もいらっしゃいましたが、最近では滅多に見かけなくなってきました。

喪服と合わせて肌の露出を避けるために、30デニール以下のストッキングを着用し、靴は黒色を基調とするシンプルなデザインのパンプスを履くようにします。なお、歩いた時にコツコツと大きく音が鳴ってしまうようなハイヒールなどの履き物は避けるようにしましょう。

喪服は着る機会が少ないため、長期間しまっておくとカビや虫食いのリスクがあります。参列が決まった際には、洋服全体を隅々までしっかりと点検することが重要です。特に、袖や襟、裾など、隠れた部分にも注意を払いましょう。また、時間が経ってサイズが合わなくなっている可能性もあるため、着用前には十分な確認が必要です。

洋服にカビや虫食いが発生している場合は、専門のクリーニング店や修繕業者に相談して、適切な処理を行うことが重要です。また、サイズが合わなくなっている場合は、専門の仕立て屋に修理や調整を依頼することも考えましょう。

仕事帰りに急なお通夜が入った場合の服装は?

親しい方のお通夜に急な招集がかかったとき、服装について悩むことはよくあることです。仕事帰りや急な場合でも、適切な服装で最後のお別れをすることが大切です。

男性の服装

仕事中に着用していたビジネススーツ、紺やグレーなど地味な色のスーツであれば、そのままお通夜に参列していただいて構いません。ただし、ネクタイピンは外してから参列するようにしてください。服装はシンプルで清潔感のある白いワイシャツと光沢のない黒いネクタイが良いでしょう。

また、急な不幸で仕事場から直接葬儀会場に向かう場合は、レギュラーカラーの白いワイシャツと、光沢のない黒いネクタイをしていれば、作業着でも問題ありません。暑い夏場でもワイシャツとネクタイは不可欠のため、襟があってもポロシャツやノーネクタイはマナー違反にあたりますので注意してください。

宮坂
宮坂
男性の場合、ビジネススーツが略喪服として受け入れられますので、色が地味であればそれで十分です。靴は黒のビジネスシューズでOKですが、ローファーは避けたほうが無難です。

女性の服装

仕事から直行する際は、白いブラウスでも構いませんが、急な場合に備えて黒のジャケットやカーディガンを持参することをおすすめします。女性の場合、黒や紺、グレーなど地味な色のスーツやワンピースが最適です。

急な場合でも色が合っていればパンツスーツでも問題ありません。バッグは地味な色のものを選び、派手なデザインのものは紙袋に入れて持参しましょう。ネイルが派手な場合は黒手袋で隠し、肌の露出は控え、髪型はシンプルにまとめることがマナーです。メイクはナチュラルなものを心がけましょう。

足元は黒のストッキングと無地の黒いパンプスが理想です。また、真珠のアクセサリーはお悔やみの気持ちを表す象徴とされるため、パールのネックレスやイヤリングが適切です。ただし、指輪は結婚指輪のみ、ブレスレットなど他の装飾は避けるようにしてください。

まとめ

お通夜は一般的には故人が亡くなった翌日の夜、または翌々日の夜に行い、お通夜の後にお葬式が執り行われますが、火葬後に通夜が葬儀が行うところがあることも理解しておきましょう。

お通夜やお葬式の日程を決める際は、様々な要因を考慮し、故人や関係者の意向を尊重することが肝要です。感情的な時期であるため、十分なコミュニケーションをとりながら、円滑な進行を心がけましょう。

通夜に参列する場合は、基本的には喪服を着用することが望ましいです。突然の訃報により通夜に参列する場合もあります。その際は普段着でも問題ありませんが、一般的なマナーとしては暗い色調の服装を選ぶことが好ましいです。靴も黒色のものを選ぶようにしましょう。

男性の場合、平服でも光沢のあるネクタイは避けるべきです。女性の場合、ネイルは落とすのが一般的なマナーですが、簡単に取り除けない場合は黒い手袋を着用することも考えましょう。